学生・研修医の方へ

先輩の声

Voice

埼玉県出身の私は弘前大学卒業後、埼玉県の市中病院と大学病院で初期研修プログラムを受けました。研修時代、弘前大学で研修医をしている友人たちに話を聞くと、早くからいろいろな手技やチャンスに恵まれていて「うらやましい環境だな」と。自分もぜひ研鑽を積みたいと思い、当科への入局を決めました。実際に働いてみて、循環器内科と腎臓内科のそれぞれの良さを感じています。循環器内科は救命を第一とした急性期治療から再発予防など慢性期治療まで、一人の患者さんと長く付き合っていく幅広さが魅力です。特に不整脈診療に関して、国内外でトップクラスのアブレーションやデバイス治療を行っているので、地域でありながら最先端の医療を学ぶことができます。

一方、腎臓内科はシャント手術や腎生検、病理の検査など領域が多彩で、全身疾患との関わりが深いところに惹かれます。循環器内科と腎臓内科、いずれの領域も、研究だったり留学だったり、さまざまに活躍されている上級医の先生が多くいますし、希望すれば、海外の施設に留学することも応援していただけます。
現在、週1回のペースで、地域の関連病院の一般内科の診療に携わっています。専門医が豊富に揃う大学病院と異なり、さまざまな疾患を数少ない医者で診なければならないので、もちろん先輩のサポートあってのことですが、多くの経験を積みながら着実に成長していることを実感しています。このように、非常に幅広く学べる点が当科の魅力なので、興味ある方はぜひ一緒に働きましょう!

私にとって循環器内科の魅力は、急性心筋梗塞などで命の危険がある患者さんを緊急治療して劇的に改善できるダイナミックさです。これまで開胸手術でしか治せなかった病気も、カテーテル治療で治せる領域がどんどん広がっています。その分、習得すべきことが多くて大変ですが、だからこそやりがいも大きいです。また、弘前大学は症例数が豊富で、市中病院では出合えないような珍しい症例、高度な治療に携わることもできます。サブスペシャリティについてはまだ模索中ですが、今、興味を抱いているのが、治療や治療方針を決めるうえで重要なツールとなる心エコーです。3Dのリアルな画像から、心臓の動き、血流、弁の形態などリアルタイムに膨大な情報を得られます。しかも経胸壁心エコーの場合は検査中、患者さんが苦痛を伴うことはほぼありません。本当に奥深い検査だと思います。

将来については、生まれ育った青森県の医療に貢献したい気持ちが強いです。地域の皆さんをしっかりと見られるよう、まずは多くの経験を積みたいので、これから先は当科の先輩方と同じように国内留学などの選択肢もあると思っています。また、女性医師は、出産などのライフイベントに合わせた働き方ができるのか不安に感じる方も多いと思いますが、当科はロールモデルとなる女性医師も多くいますし、本人の希望に応じてさまざまな働き方をサポートする環境が整っているので安心です。
「女性だから循環器内科はやめておこう」などと選択肢を狭める必要は全くありません。循環器内科が面白そう、カテーテルに興味がある。そう感じているなら、恐れることなく飛び込んできてください!

腎臓でつくられる尿を検査すると、動脈硬化、糖尿病、自己免疫性疾患の有無などさまざまなことが分かります。このように全身を診られる腎臓は私にとって魅力的です。当科の腎臓内科では、急性から慢性腎不全まで幅広い治療を行っていて、透析のシャントをつくったり、腹膜透析のカテーテルを挿入したりと、さまざまな手技も習得できます。腎生検という検査では、病理部が行うような病理診断まで、私たち腎臓内科医が責任をもって担当します。それによって迅速な治療が可能になるだけでなく、幅広い知識も身に付きます。もうひとつ、循環器内科と腎臓内科が連携しているのも当科の大きな特徴です。心臓の悪い方は腎臓が悪くなり、腎臓の悪い方は心臓が悪くなるので、心腎連関で治療に力を注いでいます。

私は腎炎ネフローゼなどの管理のほかに、腎不全外来や遺伝性腎疾患の専門外来も担当しています。遺伝性腎疾患に多発性嚢胞腎という病気があって、近年新しい治療薬が出たものの、まだあまり知られていません。そこで、広く知っていただこうと講演会などの活動にも参加しています。患者さんから「テレビや新聞で見ました」と受診してくださるケースも少しずつ増えてきて効果を実感しています。
職場はとてもアットホームな雰囲気です。子育て中の男性医師もいてお互いにサポートしあいながら気持ちよく働いています。私は来月から2人目の出産のために産休に入りますが、職場を離れる不安は全ありません。産休・育休中も病理など興味ある分野を自宅でじっくり勉強しようと考えています。

当科の一番の強みは、全国から多くの方が治療見学に訪れるほど優れた上級医がいることです。手本となる上級医の手技を一番近くで学び、直接指導していただけるのは、すごく幸せなことだと思っています。個人的なエピソードとしては、2016年2月、皮下植込み型除細動器(SICD)による治療が日本で認められ、最初の執刀に立ち合えたことが思い出深いです。通常のデバイスでは治療困難だった患者さんにSICDを植え込むことができ、素晴らしい経験をさせていただきました。この執刀をきっかけに、SICDについてもっと勉強したいと思い、世界をリードするサウスカロライナ医科大学のMichael R. Gold先生にアプライし、約1年、先生に師事して学びました。その成果を患者さんにフィードバックしていきたいと思っています。

弘前大学は本州最北端の青森県にありますが、地方大学でありながら先進的な治療を多く手掛けており、貴重な経験を積むことができます。しかも患者数は多く、症例数も非常に豊富ですから、短期間であっても学ぶことは本当に多いと思います。
実は私が循環器内科に興味を持ったきっかけは、学生時代に講義で学んだ心電図です。どこでもすぐにとれる簡単な検査でありながら、不整脈の診断に限らず、虚血性心疾患や心筋症など驚くほど多くの情報を得ることができ、さらに多くの経験を積んでいくと、不整脈の回路や起源まで推定できるという、本当に奥深い検査です。心電図に少しでも興味ある方には、心電図の面白さを惜しみなく伝授しますので、ぜひ私たちのところで一緒に働きましょう。

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